2012年2月5日日曜日

システムトレードで成功するために重要にも関わらず多くの人が無視、誤解していることについて(6)

それでは、前回まで行った設定、仮定のもとで、レバレッジを大きくしていくと何が起きるかを見てみましょう。
トレードシステムとしてエキスパートラウンジからダウンロードできるある無料EAを考えることにします。
このEAの取引対象はAUDCADで、過去40回のトレード結果を経験分布とみなすことにします。
過去40回のトレード結果をヒストグラムで表すと以下のようになります。
このEAでの過去40回の最大損失は-8236円で、1トレードあたりの平均損益は873.15円です。


ここで固定比率トレーディングを仮定して、その固定比率fを0から1まで変化させてみます。
固定比率トレーディングと固定比率fの説明については、このシリーズの(3), (4)を参照してください。
ここでは、固定比率トレーディングのもとで1トレードあたりの対数収益率の期待値を観察することにします。
固定比率fの固定比率トレーディングのもとで1トレードあたりの対数収益率の期待値y(f)は以下の式で計算することができます。
y(f) = E [ log [ (1-f) + f*( 1- (x/MaxLoss) ) ] ]
ここに、xは1トレードの損益を表す確率変数、MaxLossは1トレードで発生する可能性のある最大損益、Eは期待値を表しています。
ここで念のため、fの意味についてもう一度簡単に解説しておきます。
fが0からどんどん大きくなっていくと、それに伴ってレバレッジも大きくなっていきます。
例えば、f=1は、1トレードで発生する可能性のある最大損益MaxLossが発生したとき資産がすべてなくなってしまう取引量での取引で、
f=0.5は資産が半分になってしまう取引量での取引です。
すなわち、固定比率fというのは、現在の資産量をzとすると、f*(z/-MaxLoss)単位での取引を行うことになります。

さて、f=0からf=1までfを増加させていくと、対数収益率の期待値y(f)はどうなるでしょうか?
fを大きくしていけば、リスクは大きくなるかもしれませんが、対数収益率の期待値y(f)は単調に増加していくと思いますか?
この結果は、次回お見せします。

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