2012年2月26日日曜日

システムトレードで成功するために重要にも関わらず多くの人が無視、誤解していることについて(9)

トレード結果が、考えているトレードシステムの過去40回のトレード結果の経験分布に従うとして
固定比率トレーディングf=0.496でトレードした場合の資産の成長率をシミュレーションしたものを以下に示します。シミュレーションは10万個のサンプルを発生させて行いました。

横軸はトレード回数で、縦軸は初期資産を1としたときの資産成長率です。縦軸は対数軸で表しています。
Meanは10万個のサンプルの資産成長率の算術平均を、x%(x=75%,50%,10%,5%,2%)は10万個のサンプルの資産成長率のxパーセンタイル値を表しています。

この図を見て分かることは、資産成長率の算術平均は中央値である50パーセンタイル値はよりずっと大きく、トレード回数40回以降では75%パーセンタイル値よりも大きくなっています。このことから言えることは、資産成長率の算術平均で資産が増えていくだろうと考えることは、あまりにも楽観過ぎるということです。
また10パーセントタイル値では、100回のトレードの後、初期資産を減らしてしまっています。
このことから、f=0.496でトレードを行うことはあまりにもアグレッシブ過ぎるのではないかと考えますが、いかがでしょうか?

次回はfの値を変えたシミュレーション結果見て、比較してみることにします。

2012年2月24日金曜日

システムトレードで成功するために重要にも関わらず多くの人が無視、誤解していることについて(8)

前回,

考えているトレードシステムの過去40回のトレード結果に関して、fを0から1まで変化させていったときの1トレードあたりの資産の平均成長率は,f=0から0.496まではfが増加すると1トレードあたりの資産の平均成長率も増加して,その後減少する。
すなわちf=0.496で1トレードあたりの資産の平均成長率が最大となる。

ということを示しました。

では,f=0.496に対応するレバレッジでトレードを行うのが最もよいのでしょうか?

この答えは,次回シミュレーション結果をお見せし,その結果を観察しながら考えることにします。

2012年2月23日木曜日

メタトレーダー4で勝つために”7つのポイント”4時間セミナー 3月4日@東京

こんにちは。
来る3月4日、東京でMT4のセミナーが開催されます。
エキスパートラウンジにEAをご提供いただいているテラスさん主催のセミナーです。
私も参加しましたが、MT4の基礎的なことがPCを触りながら学べる良い機会でした。
詳細につきましては、以下のリンクからご確認くださいませ。

■セミナー概要
【講演】 ひとりパソコン1台ご用意!
「メタトレーダー4で勝つために絶対知っておくべき7つのポイント 4時間セミナー」
【講師】 株式会社テラス 代表 林
【日程】 2012年3月4日(日曜日)
【時間】 13:00-17:00(12:45~セミナー会場に入れます)(休憩は3,4回を予定)
【料金】 通常9,800円 → 4,980円
【人数】 先着20名様 ※定員に達し次第締め切らせて頂きます。
■セミナー対象者
・メタトレーダー4初心者  (本やブログでメタトレーダー4という言葉を聞いたことがあるというレベル)
・メタトレーダー4未経験者  (デモ版は触ったことがあるが、実際のお金で運用したことが無いというレベル)
・メタトレーダー4で困っている方  (運用したこともあるが独学の為、分からないことが多いというレベル)
上記のような方を対象にしたセミナーになっております。
※ 個人投資家向けのセミナーですので、投資関係の職業に従事されている方はご遠慮ください。
■セミナー内容
0.【基礎知識・用語講座】  30分
・なぜ今、メタトレーダー4なのか?
・自動売買システム「エキスパートアドバイザー(EA)」とは
・「.mq4」ファイルと「.ex4」ファイルの違い
・Pips(ピップス)とは?
・FX取引にかかる費用とは?
・通貨ペアの見方とは?
・投資額を決めるLot(ロット)とは?
・少ない資金で大きなお金を動かすレバレッジとは?
・ポジションを持っていると貰える「SWAPポイント」とは?
1.【メタトレーダー4で勝つために 絶対知っておくべき7つのポイント】  3時間
・独学初心者がつまづくFX会社によって異なる各種設定
~桁数・Digits・最小取引レート取引単位
・スプレッドとFX会社の選び方
~多くの人が気にする詳細スプレッド比較と国内外のFX会社選びの5つのポイント
・FXを取引できる時間帯。
~トレンドが形成されやすい時間帯とBOX相場に成りやすい時間帯
・世界の時差GMTとは?
~ロシア時間とは?サーバー時間とは?夏時間・標準時間とは?
・24時間MT4を稼動させる方法
~24時間自分のパソコンを稼動させるための設定
~VPSより簡単なプチクラウド自動売買の方法
・失敗しないバックテスト・検証の方法
~過去6年分のデータインポート、ピリオドコンバーター、
~適正スプレッド、選択モデルなど
・検証レポートの徹底読み解き
~絶対に押さえるべき5つのポイント、検証制度
~間違えたバックテストを見抜く方法と改善方法
・バックテスト結果を信頼するための条件
~ブログ、サイト上の良すぎるパフォーマンスを見抜く方法
~最低知っておくべき3つポイント
・絶対評価を可能とする「年利・最大ドローダウン率」を求める方法
~本当に知るべき「年利」と「最大ドローダウン率は」メタトレーダーでは分からない
~EAを見極める決定的パフォーマンスを自らの計算により導く
※途中2回程度の休憩を含みます。
2.【テラス掲載の優秀EAを徹底解剖】 30分
・優秀EAのパフォーマンスの見方
・優秀EAと言えど、その投資スタイルは様々。自分の資産運用に合わせたスタイルを見抜く。
・優秀EAが実際にどのタイミングで仕掛けているのか?視覚的に分析します。
・TOP優秀EAとは?
・優秀EAのフォーワードテストについて
・【極秘】優秀EAを裏付ける理由
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http://www.openterrace.jp/detail.html?id=331
■過去の初心者セミナー受講者の声
※今回のセミナーは過去のメタトレーダー4初心者セミナーを経て、もっとも投資家ニーズに答える内容に組み立てたものになります
。以下は今回のセミナーの元になったセミナー受講者の方々の声になります。
・メタトレーダー4の全体像が自分一人で勉強していてはなかなか分からなかった。
全体像をつかむことができて良かった。
・たった2時間でゼロからスタートして詳しく教えていただいて有難いです。
・なかなかMT4は良い書籍がないため助かった。
質問にも丁寧にお答えいただき、感謝しています。少人数制で質問しやすかった。
・バックテストのデータの扱いがわかった。良いシステムトレードの判断方法の進め方がためになった。
・質疑にすぐに答えていただいたのも少人数制ならではのものだと思います。
・初心者で独学だったため、再確認になって良かった
・メタトレーダー4使用上の注意点を聞けたことが良かった。
知らなければ(時間、バックテスト)失敗するケースがあったかもしれない。
・短時間で効率的に知識が身に付きました。
毎回、キャンセル待ちがでる人気のため、
申し込まれる場合はお早目がオススメです。
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2012年2月15日水曜日

3月3日土曜日に大阪でFX自動売買無料セミナーを開催します。

3月3日土曜日、大阪にて『FX自動売買取引無料セミナー』を開催。詳細、お申し込みは、こちらからどうぞ。
(バナーをクリックすると詳細をご覧いただけます。)
http://www.tsukaeru.net/inq/fm_ev_fx2012_03.php

2012年2月13日月曜日

システムトレードで成功するために重要にも関わらず多くの人が無視、誤解していることについて(7)

考えているトレードシステムの過去40回のトレード結果に関して、
fを0から1まで変化させていったときの1トレードあたりの資産の平均成長率を
表すと以下のようになります。




この図を見ていただくと分かりますが、
1トレードあたりの資産の平均成長率はfに関する単調増加関数では
ありません。
 
このトレードシステムの過去40回のトレード結果に関しては、
f=0から0.496まではfが増加すると1トレードあたりの資産の平均成長率
も増加していきます。
f=0.496のときに1トレードあたりの資産の平均成長率は最大値を取り、
その値は1.0270になります。
すなわち、証拠金8236/0.496=16600円あたり1単位トレードし、
そのときの1トレードあたりの利益は2.7%になります。
fが0.496より大きくなると1トレードあたりの利益は最大値の2.7%
から減少していき、fが0.886より大きくなると1トレードあたりの
利益はマイナスになってしまいます。

この観察より、
固定比率トレーディングにおいて、レバッレッジを大きくしていくと
1トレードあたりの資産の平均成長率はあるところまでは大きくなるが、
それを超えてレバッレジを大きくすると1トレードあたりの資産の
平均成長率が減少していくことが分かります。

すなわち、
レバレッジを大きくすれば、リスクは大きくなるかもしれないが、
その分(平均的な)利益も大きくなると多くの人が何となく考えていますが、
これは間違いであることが分かります。

2012年2月5日日曜日

システムトレードで成功するために重要にも関わらず多くの人が無視、誤解していることについて(6)

それでは、前回まで行った設定、仮定のもとで、レバレッジを大きくしていくと何が起きるかを見てみましょう。
トレードシステムとしてエキスパートラウンジからダウンロードできるある無料EAを考えることにします。
このEAの取引対象はAUDCADで、過去40回のトレード結果を経験分布とみなすことにします。
過去40回のトレード結果をヒストグラムで表すと以下のようになります。
このEAでの過去40回の最大損失は-8236円で、1トレードあたりの平均損益は873.15円です。


ここで固定比率トレーディングを仮定して、その固定比率fを0から1まで変化させてみます。
固定比率トレーディングと固定比率fの説明については、このシリーズの(3), (4)を参照してください。
ここでは、固定比率トレーディングのもとで1トレードあたりの対数収益率の期待値を観察することにします。
固定比率fの固定比率トレーディングのもとで1トレードあたりの対数収益率の期待値y(f)は以下の式で計算することができます。
y(f) = E [ log [ (1-f) + f*( 1- (x/MaxLoss) ) ] ]
ここに、xは1トレードの損益を表す確率変数、MaxLossは1トレードで発生する可能性のある最大損益、Eは期待値を表しています。
ここで念のため、fの意味についてもう一度簡単に解説しておきます。
fが0からどんどん大きくなっていくと、それに伴ってレバレッジも大きくなっていきます。
例えば、f=1は、1トレードで発生する可能性のある最大損益MaxLossが発生したとき資産がすべてなくなってしまう取引量での取引で、
f=0.5は資産が半分になってしまう取引量での取引です。
すなわち、固定比率fというのは、現在の資産量をzとすると、f*(z/-MaxLoss)単位での取引を行うことになります。

さて、f=0からf=1までfを増加させていくと、対数収益率の期待値y(f)はどうなるでしょうか?
fを大きくしていけば、リスクは大きくなるかもしれませんが、対数収益率の期待値y(f)は単調に増加していくと思いますか?
この結果は、次回お見せします。