トレードシステムの性能を評価するためによく使われる指標の一つとしてProfit Factor(PF)があります。
トレードシステムの過去のトレード結果をもとに、そのトレードシステムの将来のPFの予測をすることがどの位出来るものなのか、標準的な統計手法を適用して試してみたいと思います。
ここでは、過去41回から80回(検証期間)の計40回トレード結果をもとに、過去1回から40回(予測期間)のPFを予測することを行ってみます。検証期間でのPFが[0.7,2.5]の範囲にあるトレードシステム10個を適当に選んで試してみた結果を以下に示します。
それぞれの結果ですが、
システム名
取引通貨ペア
検証期間での実際のPF
予測期間での実際のPF
予測期間でのPFが90%の可能性で取る得る値の範囲
予測期間でのPFが70%の可能性で取る得る値の範囲
予測期間でのPFが50%の可能性で取る得る値の範囲
予測期間でPFが1以上になる可能性
を示しています。また取る得る値の範囲の右にある
○、×は、予測期間での実際のPFがその取る得る値の範囲に入っていれば○を、入っていなければ×をつけてあります。
システム1
USDJPY
検証期間のPF: 1.21
予測期間の実際のPF: 1.24
90% [ 0.501, 2.53] ○
70% [ 0.714, 1.94] ○
50% [ 0.868, 1.65] ○
PFが1以上: 65%
システム2
CADJPY
検証期間のPF: 0.712
予測期間の実際のPF: 1.00
90% [ 0.385, 1.22] ○
70% [ 0.489, 1.00] ○
50% [ 0.559, 0.889] ×
PFが1以上: 15%
システム3
EURJPY
検証期間のPF: 0.724
予測期間の実際のPF: 0.873
90% [ 0.380, 1.39] ○
70% [ 0.483, 1.09] ○
50% [ 0.557, 0.941] ○
PFが1以上: 20%
システム4
USDCAD
検証期間のPF: 1.18
予測期間の実際のPF: 0.372
90% [ 0.567, 2.20] ×
70% [ 0.755, 1.74] ×
50% [ 0.884, 1.52] ×
PFが1以上: 64%
システム5
CHFJPY
検証期間のPF: 1.02
予測期間の実際のPF: 0.482
90% [ 0.480, 3.26] ○
70% [ 0.628, 2.01] ×
50% [ 0.746, 1.57] ×
PFが1以上: 54%
システム6
NZDUSD
検証期間のPF: 1.55
予測期間の実際のPF: 1.35
90% [ 0.706, 6.83] ○
70% [ 0.936, 3.44] ○
50% [ 1.12, 2.57] ○
PFが1以上: 81%
システム7
USDJPY
検証期間のPF: 0.740
予測期間の実際のPF: 0.483
90% [ 0.299, 3.73] ○
70% [ 0.410, 2.14] ○
50% [ 0.507, 1.64] ×
PFが1以上: 42%
システム8
AUDJPY
検証期間のPF: 1.03
予測期間の実際のPF: 0.902
90% [ 0.512, 2.25] ○
70% [ 0.670, 1.67] ○
50% [ 0.780, 1.41] ○
PFが1以上: 54%
システム9
USDCHF
検証期間のPF: 2.34
予測期間の実際のPF: 0.421
90% [ 0.970, 5.51] ×
70% [ 1.36, 3.98] ×
50% [ 1.65, 3.30] ×
PFが1以上: 94%
システム10
EURUSD
検証期間のPF: 0.967
予測期間の実際のPF: 0.509
90% [ 0.423, 4.59] ○
70% [ 0.570, 2.19] ○
50% [ 0.688, 1.63] ×
PFが1以上: 51%
2012年3月18日日曜日
2012年3月12日月曜日
システムトレードで成功するために重要にも関わらず多くの人が無視、誤解していることについて(10)
考えているトレードシステムの過去40回のトレード結果に関して、
1トレードあたりの資産の平均成長率が最大となるf=0.496での
シミュレーション結果を前回示しました。
また、f=0.496でトレードを行うことはあまりにもアグレッシブ過ぎる
(=レバレッジが大き過ぎる)のではないかということを述べました。
1トレードあたりの資産の平均成長率が最大となるf=0.496での
シミュレーション結果を前回示しました。
また、f=0.496でトレードを行うことはあまりにもアグレッシブ過ぎる
(=レバレッジが大き過ぎる)のではないかということを述べました。
このことを観察するために、今回はfの値を変えてみたシミュレーション結果を示します。
トレード結果が、考えているトレードシステムの過去40回のトレード結果の経験分布に従うとして
固定比率トレーディングでトレードした場合の資産の成長率をシミュレーションしたものを
以下に示します。シミュレーションは10万個のサンプルを発生させて行いました。
図の見方は前回と同じです。
固定比率トレーディングでトレードした場合の資産の成長率をシミュレーションしたものを
以下に示します。シミュレーションは10万個のサンプルを発生させて行いました。
図の見方は前回と同じです。
上の方の図はf=0.200でトレードした場合のもの、下の方の図はf=0.900でトレードした場合のものを表しています。
今回のものと前回の図を比較してみると、以下の結論が言えるのではないでしょうか?
f=0.496ではレバレッジが大きすぎ、もう少し小さなfでのトレードが望ましい。
f=0.900のような大きなレバレッジでトレードを行うメリットは、まず考えられない。
レバレッジを適切な値に保ってトレードを行うことがトレードで成功するための前提となる必要条件である。
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